中国は失敗した事業:垂直の森
ミラノのランドマークであり、世界中から注目を集める環境に優しいマンション「垂直の森」。このプロジェクトに感銘を受けた中国は、さらに壮大な「垂直の森」を作ろうとしましたが、その結果は思わぬ方向へと進展しました。ミラノのボスコ・ヴェルティカーレ(垂直の森)
エコ建築の象徴: 垂直の森
2014年、イタリアの建築家ステファノ・ボエリ氏はミラノに900本もの木々と2万株の植物で覆われた革新的な高層建築「ボスコ・ヴェルティカーレ」を完成させました。この垂直の森は、都市環境と共生する建築デザインの象徴として瞬く間に世界中の注目を集めました。
2014年には「世界最高の高層ビル」に、2015年には高層ビル・都市居住協議会が授与する「今年の世界最高の高層ビル」賞を受賞するなど、その独創的なデザインと環境への配慮が評価されました。
ボスコ・ヴェルティカーレは単なる高層ビルではありません。鳥、蝶、昆虫たちの住処となり、都市の空気を浄化し、騒音を遮断し、室内の温度と湿度を調節する天然の温湿度調節システムとしても機能します。
さらに、雨水をトイレに利用し、キッチン排水を庭の植物に再利用するなど、自然環境に配慮した給水システムも備えています。
ミラノの街を緑で彩るボスコ・ヴェルティカーレは、ヨーロッパ建築に新しい概念をもたらし、エコ建築の象徴となりました。
そして、この「垂直の森」に感銘を受けた国が現れます…
中国版「垂直の森」:壮大な構想、思いがけない結末
イタリアの「垂直の森」に感銘を受けた中国は、独自の才覚を活かし、より壮大な垂直の森を計画しました。30階建ての建物8棟からなる、なんと826戸の大規模な複合施設を建設したのです。
中国の大気汚染の状況 |
しかし、現在この複合施設に住んでいる世帯はわずか10世帯。全体の1%にも満たないという状況で、プロジェクトは失敗に終わってしまいました。
失敗の真相: 管理怠慢、そして計画の甘さ
黄砂による大気汚染が充満する中国の都心に誕生した「71森林花園」。様々な植物を密に植樹したこの複合施設は、当初都会のオアシスとして大きな注目を集めました。しかし、入念な計画とは裏腹に、プロジェクトは惨めに失敗してしまいます。
イタリアの「ボスコ・ベルティカーレ」では、個々の住人が植物管理を継続的に行う一方、「71森林花園」では管理が怠られ、植物の根がリビングまで伸びるなど、無秩序な状態に陥ってしまいました。管理が行き届かなくなった入居者たちは、家を捨てて逃げてしまうという事態にまで発展しました。
放置された71森林花園 |
こうした状況が重なり、最終的に10世帯のみが残るという結果に…
中国版「垂直の森」の悪夢:楽園の崩壊と蚊地獄
さらに追い打ちをかけるように、長雨による水たまりと湿った環境で蚊が発生し始めました。専門家たちは「環境に優しい楽園どころか、世紀末を扱った映画のセットのようになった」と酷評しています。
蚊くらいなら我慢して住めそうと思うかもしれませんが、四川省の蚊は軽視できるものではありません。この団地に現れる蚊は、大陸の蚊らしく、なんと世界最大の蚊でギネス世界記録にも登録されている蚊なのです。
71森林花園に大量発生した蚊 |
1 コメント
以前にこの、マンションのことを知りその後どうなったかを知ることができました。中どんなことになっている動画みてみたい。
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